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多くの希少種競演


ID番号 N21050  更新日 平成28年10月1日

岩藤新池湿地守る 水源の里の会

 市の東部一帯に広がる丘陵地の一角にそのステージはある。環境省レッドリストの絶滅危惧(2)類に指定されているシラタマホシクサや氷河期から残っているとされるヌマガヤ、ミカヅキグサなど貴重な植物とハッチョウトンボなどの虫が数多く生息する「岩藤新池湿地」。会のメンバーが「ラムサール条約に匹敵する」と自負する貴重な湿地だ。(市民スタッフ 山盛 均)

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シラタマホシクサが咲き誇る岩藤新池湿地を歩く鈴木さん(左)と加藤さん(9月)

 会の設立は平成14年、市内で開かれた「湿地サミット」がきっかけとなった。サミットは湿地が存在する県内の自治体から、自然保護団体や行政、研究者らが集まって毎年持ち回りで開かれている。湿地の現状や保護活動などについて報告や討論を通じて湿地保護の必要性が訴えられ、会の設立につながった。
 会は地元の有志で構成している。会長は歴代、岩藤区の区長が務めてきた。活動は水位の維持と通路保全、外来植物の除去など湿地の管理だ。一番大きなイベントは冬場の草刈りで、区民総出の作業だ。21年には小川と水田を魚が行き来できるよう「水田魚道」を作り、22年からは池周辺の耕作放棄地を借りて稲作も続けている。田植えと稲刈りは地元の子どもたちも一緒に汗を流し、11月には餅つきで収穫を祝う。
 本来、自然とは人の手が入ってない状態のことかもしれないが、放ったらかしにすると微妙なバランスはいとも簡単に崩れてしまう。最低限の手立てを取らないと、弱い生物から順に姿を消してしまい、いったん崩れ始めると回復にはとてつもない時間と手間が必要となる。会員らは地元の人とはいえ、動植物の珍しさ、希少価値には全く知識はなかった。
定期的に観察会を開くほか、サミットに参加するなどして知識を深めてきた。

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水田に魚を遡上させる魚道

 鈴木昭忠さん(71)は植物や魚、虫など自然が好きで、定年退職後メンバーに加わった。同湿地を代表する植物「シラタマホシクサ」は、夏の終わりごろ、直径5ミリほどの真っ白な花を咲かせる。草丈は30センチほどの1年生植物だ。東海地方固有の植物で、浜名湖以西、特に濃尾平野の外縁部に見られるという。群落のなかで最大規模の植物を植物学の言葉で優占植物というが、この湿地ではシラタマホシクサが優占植物。鈴木さんは「日本一の大群落の湿地」と胸を張る。

 「真っ白に咲き乱れる花は美しくて感動します」と鈴木さん。甘くてとてもいい匂いがするという。「小さくて可憐な花が必死に昆虫を呼んで受粉をし、種を作ろうとする姿がかわいい」と目を細める。
 湿地には他にハルリンドウ(4月)サギソウ(7月)なども咲き、6月ごろには赤い色がかわいいハッチョウトンボも人気だ。鳥類に詳しい加藤英俊さん(70)は、「丘陵地にはオオタカやノスリなど数種類のワシタカも営巣するほか、アカゲラ
やツグミなどの野鳥も多く見られる」といい、それらの動植物を観察するために県外からも研究者らが訪れるという。
 湿地を取り巻く丘陵地から染み出す水温約15度の湧水が、湿地の命。開発などで水が枯れたらこれらの動植物はたちどころに居場所をなくす。鈴木さんは「多くの市民に知ってもらって保護の機運を高めたい」と訴えている。

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地元の子どもたちに湿地を公開(相野山家庭教育推進委員会提供)

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